ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜

薬指への予約と同罪

それから数日が経った十一月下旬、雪ちゃんはとうとうベッドから下りる事も難しくなって……。


トイレと数日置きのお風呂以外で、彼が起き上がる事は無くなってしまった。


雪ちゃんの容態が一気に悪化したのは、あたしの“ワガママ”を受け入れてくれた直後の事だった。


あの翌々日の月曜日、昼間のうちに婚姻届を取りに行ってくれたおばさんからそれを受け取って……。


お兄ちゃんや両親達が見守ってくれる中で、あたしと雪ちゃんは書類に必要事項を記入した。


その時はまだ、結婚するんだっていう実感は湧かなかった。


だけど……。


< 361 / 500 >

この作品をシェア

pagetop