ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「雪ちゃん?」


「入っておいで」


襖越しに声を掛けたあたしに返って来たのは、明るさを含んだ優しい声。


最近ではあまり聞く事が無かった声音に、すごく嬉しくなった。


「ただいま」


「おかえり」


自然と満面の笑みで雪ちゃんに抱き着いたあたしを、彼は優しく抱き留めてくれた。


思わずフフッと漏れる笑い声に釣られるように、雪ちゃんもくすぐったそうに笑いを零した。


「ねぇ、渚」


笑顔で顔を上げると、返って来たのは優しい笑み。


その瞬間、胸の奥がキュンと鳴いた。


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