ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「だけど、どんな時に見る海も、きっと全部“初めて見る景色”だと思うから……。渚はこれからも、たくさんの新しい景色を見ていくんだ……」


“渚は”って言葉が強調された気がするのは、気のせいだと思いたかった。


「だから、その為にも……」


だけど──。


「何があっても、自分から“生きる事”を諦めちゃダメだよ」


気のせいじゃないって事を思い知らせるように、雪ちゃんが真剣な表情で静かに告げた。


「……っ!」


咄嗟に唇を噛み締めたあたしに向けられたのは、残酷なくらいに優し過ぎる笑顔だった。


< 402 / 500 >

この作品をシェア

pagetop