ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜

記憶の中の確かな愛

翌日は雲一つ無い快晴で、秋が終わるとは思えない程の暖かい日だった。


「お兄ちゃん、ちょっと停めてくれる?」


「どうした?」


不意にお願いしたあたしに、お兄ちゃんは不思議そうにしながらも車を停めてくれた。


「写真、撮ろうと思って。雪ちゃん、海を見たがってたから」


小さな笑みを残して車から下り、歩き慣れた階段を使っていつもの海岸に足を踏み入れた。


太陽の光が反射して、海面がキラキラと輝いている。


眩しさに目を細めながら携帯で写真を何枚か撮った後、海風に押されるようにして車に戻った。


< 407 / 500 >

この作品をシェア

pagetop