ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
不安を抱えながら着いた病室には、まだ眠ったままの雪ちゃんとおじさん達がいた。


「もう、来てくれたのか……」


「ありがとう、渚ちゃん、章太郎君」


二人ともすっかり疲れ切った顔をしながらも、優しく笑ってくれた。


おばさんの笑顔はやっぱり雪ちゃんとよく似ていて、何だか泣きたくなってしまう。


「いえ……。雪緒、どうですか?」


「さっきね、また目を覚ましたのよ。よかったら、話し掛けてあげて」


あたしは優しく微笑むおばさんに無理矢理笑って頷いた後、ベッド脇のパイプ椅子に腰掛けて口を開いた。


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