ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
あの後、雪ちゃんは延命治療を施して貰わなかった──。


それは彼の希望でもあり、何よりも延命治療は苦しみを長引かせるだけだからと、おじさん達もありのままの最期を受け入れる事にしていた。


病室に来たお母さんから、ベッドの上でその事を聞いた時……。


あたしは、気を失って良かったのかもしれないと思った。


きっと雪ちゃんの傍にいたら、彼が苦しんでも延命治療を望んでしまったと思うから……。


それが聞き入れられる事が無かったとしても、雪ちゃんが苦しむ事になる結果を望まなくて済んだ事に、ほんの少しだけホッとしてしまった──。


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