ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
お兄ちゃんも、お母さんも、おじさんも、おばさんも、声を押し殺すようにして泣いていた。


「雪ちゃん……」


触れたままの頬にいつもの温もりは無くて、ただ冷たさを感じるだけ。


「ねぇ、雪ちゃん……」


もちろん握った手を握り返してくれる事も無くて、どうしようもない程の虚しさだけが込み上げて来る。


「雪ちゃん……起きてよ……」


ポロポロと零れ落ちる涙が雪ちゃんの頬を濡らして、穏やかな表情の彼が泣いているように見えた。


「お願いだから……いつもみたいに『好き』って言ってよぉっ……!」


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