ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
夕方になって、雪ちゃんは葬儀場に運ばれる事になった。


それまで彼の傍から片時も離れなかったあたしは、お兄ちゃんに引き剥がされるような形で離れる事になった。


その時まで皆がどうしていたのかも、その後それぞれがどんな行動を取っていたのかも、よくわからない。


泣く事にも疲れ果て、もう涙も出ない気がした頃……。


ふと気が付くと、お兄ちゃんが運転する車の助手席に座っていた。


左側に眩しさを感じて、ゆっくりと顔を上げて虚ろな瞳で窓の方を見る。


その瞬間、視界に入って来たのは夕陽に染まった海だった。


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