ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
雪ちゃんと撮った写真を見つめたままベッドに身を沈めていると、部屋のドアがノックされてお兄ちゃんが入って来た。


「渚……。雪緒のおじさんとおばさんが来たぞ」


お兄ちゃんの声は、何の意味も持たずにすり抜けていく。


「ほら、皆待ってるから」


それをわかっているらしいお兄ちゃんが、あたしの背中に腕を入れて体をゆっくりと起こさせた。


力なんて入れていなくても、お兄ちゃんはあたしを簡単に立ち上がらせる。


あたしは黙ったままお兄ちゃんに従い、体を支えられるようにしながら部屋を出て、リビングに降りた。


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