ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
日めくりのカレンダーが表示している十一月二十五日が“何の日”なのかを、ここ何年も忘れた事なんて無かった。


だけど……。


日付の感覚が無くなっていたあたしは、今日が十一月二十五日なんだって事をすっかり忘れてしまっていたんだ。


「今日……誕生日だったんだね……」


あたしの涙混じりの小さな言葉に、おじさんとおばさんが何も言わずに小さく笑った。


あたしを見つめる二人は、悲しげな瞳を必死に緩めているように見える。


あたし達はきっと、もう二度と“今日”という日を心からお祝いする事は出来ないって思った。


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