ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「渚、俺と付き合って?」


笑顔で首を傾げられて、あたしは益々目を大きく見開く。


だけど……。


考えるよりも先に、とにかく首を縦に振っていた。


雪ちゃんは楽しげにクスクスと笑った後、あたしをギュッと抱き締めてくれた。


その瞬間……。


胸の奥から温かくて甘い感情が次々と溢れ出して、あたしの瞳からまた涙が溢れた。


潤んだ瞳で見た雪ちゃんが優しく目を細めていて、やっと働き出した思考が少し遅れて状況を理解する。


春が間近に迫った冬の海岸で、あたしは誰よりも大好きな雪ちゃんと心が結ばれたんだ──。


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