ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
放課後、欠席していた間の事で担任に呼び出されていたあたしを、真保は教室で待っていてくれた。


「渚、帰ろ?」


「ごめん……。一人で帰りたい……」


「……どこか行くの?ちゃんと帰れる?」


あたしの答えに不安げな顔をした真保に、小さく頷く。


「海岸に寄りたいだけだから……」


「わかった……。でも、海岸までなら一緒に帰ってもいいでしょ?」


心配そうな表情をしている真保にとって、それが精一杯の譲歩だったんだと思う。


あたしはもう一度小さく頷いた後、そんな彼女と教室を後にした。


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