ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
六花を産む事を、誰も反対したりはしなかった。


正直、反対されるかもしれないと不安に思っていたから少しだけ驚いたけど、それよりも驚いたのは“お義母さん”の言葉だった。


「雪緒が倒れる前日の夜に、雪緒から頼まれてたの。これを渚ちゃんに渡して欲しい、って」


差し出されたあたし名義の通帳に目を見開くと、お義母さんは更に続けた。


「雪緒がバイトで貯めたお金よ。『渚に必要になる物だから渚名義で通帳を作って来て欲しい』って言われて、渚ちゃんのご両親に協力して貰って通帳を作ったんだけど……。その言葉の意味が、今わかったわ」


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