ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「ママ〜?」


海を見つめていたあたしを呼ぶ声に視線を下げると、六花が不思議そうな顔をしていた。


「ママ、うれしいの?」


「どうして?」


「だってね、うみみながらニコニコしてるんだもん」


「じゃあ、きっと嬉しいのかな」


「どうしてうれしいの?」


「大好きな六花が、ママの傍にいてくれるから」


「りーも、ママだいすきだよ」


ニッコリと笑った六花の左の目尻にある小さな黒子が、雪ちゃんの笑顔を思い出させる。


瞳を細めて微笑むと、六花が笑顔のまま口を開いた。


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