ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
日曜日の昼下がり、あたしはたくさんの人達で賑わう海岸を横目に通り過ぎ、その先にある雪ちゃんの家に来ていた。


「ねぇ、雪ちゃん」


大量に出された数学の宿題にすっかり飽きてしまって、さっきから黙ったままの彼に視線を遣る。


だけど……。


壁を背にしてベッドに座っている雪ちゃんは、窓の向こうに広がる景色を呆然と見つめているだけで、何の反応も返って来なかった。


「……雪ちゃん?」


不意に小さな不安を感じたのは、彼の横顔が憂いを滲ませている気がしたから……。


物思いに耽るようなその表情は、どこか不機嫌にも見えた。


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