ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「どうしたの?」


そう訊きながらあたしに笑顔を向けた雪ちゃんは、もういつもと変わらない彼に戻っていた。


だけど……。


そんな雪ちゃんに対して芽生えた違和感が、あたしの心を不安で揺らす。


「雪ちゃん、何かあった?それとも、体調が悪いの?」


「え……?」


目を見開く雪ちゃんの傍に行って、彼の瞳をじっと見つめる。


「最近、何だか変だよ?ボーッとしてる事が多いし、難しい顔ばっかりしてるんだもん……」


「そんな事ないよ」


雪ちゃんは、少しだけ疲れたような顔をしながらも柔らかく微笑んで、左手でうなじを触った。


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