ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「でも……」


「難しいレポートが溜まってて、ちょっと寝不足なんだ。でも、それ以外は別に何ともないよ」


納得がいかないあたしを、雪ちゃんは笑顔でやんわりと制して来る。


「心配掛けてごめん。でも、渚が心配するような事は何もないからさ」


「うん……」


「もしかしたら、レポートが終わるまでは難しい顔ばっかりしてるかもしれないけど、変な顔になってても気にしないで」


おどけたように笑った雪ちゃんを見ても、あたしは何だか上手く笑えなくて……。


心の中で燻り続ける不安を消せないまま、ただ黙って頷く事しか出来なかった。


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