ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
雪ちゃんは、いつものようにあたしの制服のスカートに付いた砂を払ってから、ゆっくりと歩き出した。


「冬の間だけでも、待ち合わせ場所変えない?」


「どうして?」


「渚が風邪引きそうだから」


「あたしなら平気だよ?」


「……俺が気になるの」


眉を寄せてため息をついた雪ちゃんに、思わず唇を尖らせる。


「大丈夫だもん!それに、待ち合わせは絶対にあの場所なの!あそこは……」


「“俺達の思い出の場所”だから、だろ?」


優しく遮った雪ちゃんが、あたしの足を見てから困ったように微笑んだ。


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