ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「……わかったよ。でもせめて、次からはもうちょっと暖かい格好で待ってて。それから、マフラーももっとしっかり巻いて」


雪ちゃんはそう言いながら、あたしのマフラーをグルグルと巻いた。


「こんなの、ちっともオシャレじゃない。しかも苦しいし……」


「これくらいでちょうどいいんだよ。渚は、ただでさえ薄着なんだから」


呆れたようにコートのボタンまで留めてくれた雪ちゃんは、何だかあたしの保護者みたいだって思う。


「……雪ちゃん、お父さんみたーい!」


反抗の気持ちを込めてポツリと呟くと、彼が瞳を緩めてクスリと笑った。


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