ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
膝が笑い出して、体がガクガクと震え始める。


頭の中はパニックで真っ白になっていくのに、瞳に映る景色はやけにクリアで……。


冷静な表情のままの雪ちゃんが、ハッキリと視界に入っている。


「な……んで……?」


カタカタと震える唇を必死に動かして口にした質問は、更に強くなった海風によってすぐに掻き消された。


程なくして、雪ちゃんは何かを決意するようにゆっくりと息を吐いた後、左手をうなじの辺りに置いた。


「他に好きな人が出来たんだ……」


信じられない言葉が彼の口から出た瞬間、頭の中を鈍器で殴られたような衝撃が走った。


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