ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
海風が、あたしを容赦無く叩き付ける。


砂埃がショートパンツから露出した足に当たる度に、ピリピリとしたような痛みが走って……。


今起こっている事が現実なんだって、嫌でも思い知らされてしまった。


「ごめん、そういう事だから……」


雪ちゃんはため息をついて、たったそれだけの言葉で話を終わらせたかのように、あたしから視線を逸らしてしまった。


これが現実だと理解したあたしの瞳には、涙が一気に込み上げて来る。


「ま、待っ……て……」


今にも漏らしてしまいそうな嗚咽を堪えながら呟くと、雪ちゃんが眉を寄せたままあたしを見た。


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