18年生きただけでそれを決めてしまうのはあまりにも無謀。だけど、そんなものは結局、言い訳に過ぎないのかもしれない。
この先にもっといい人が。前に進みなさい。
雪緒はそう言って大きな愛で包むけれど、渚は同じだけの愛でもって、その恋を貫いた。
死を覚悟して、受け入れること。
それは一辺から見るととても悲観的に映る。実際、最初に渚を突き放した雪ちゃんにはそういう面も感じたけれど。二人で手を取り、周りの人達とも不器用ながらもがいて足掻いている姿には“その時”まで精一杯生きる覚悟を感じました。
人はあっけなく死んでしまいます。健康だと思っていた人がいつまでも健康であるとは限りません。でも、その事に、気付いていても気づかないふりをしてしまう。期限を突きつけられてようやく思い出すのです。本人も、周りの人も。大それたことをしなくても、その命を大切に生きてみて欲しい。
命の煌めきを深く感じたお話でした。