それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
「そうだよそうだよ。その方が絶対いいと思う!」
体の中の何かのスイッチがオンになった。
「ず、ずいぶん力入ってるね」
「だって、根岸先輩、口は悪いし、態度は悪いし。
ほんと、あやめちゃんが期待するような人じゃないもん!
眺めてるくらいが絶対いい!」
少し興奮気味にそう言うと、あやめちゃんは目を丸くした。
「本当に、嫌いなんだねぇ」
そう、しみじみ言ったあと。
「もしくは、イヤよイヤよも、好きのうち……」