それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜


「先輩!」


なのに、さっきわたしの頭に浮かんでいたのは、デッサンしているときの根岸先輩の真剣な瞳だったから、一瞬心臓がきゅっと小さくなった。


そして、ぶんぶんと大きく首を振った。


いやいやいやいや、ありえないから。


根岸先輩のこと好き、とか、ありえないから。


きっと、100あるうちの99が苦手要素だから、たった1のときめきポイントが、やたらときらめいて見えているだけ。


それだけ。


じゃなきゃ、説明がつかない。

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