それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜


「ねぇねぇ」


あやめちゃんがわたしの袖を引っ張る。


「もしかして?」


にやにやしながらわたしに顔を近づけた。


「あ、うん。生川先輩」


「はじめまして」


生川先輩が王子スマイルで微笑むと、あやめちゃんは、


「はじめまして」


と頭をぺこりと下げた。


あやめちゃんは大興奮でわたしの袖をぐいぐい引っ張りながら、口だけ動かして「かっこいい!!」を連呼している。

< 106 / 305 >

この作品をシェア

pagetop