それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜


そうだったんだ。


根岸先輩とみさと先輩、つき合ってたんだ。


呆然と立ち尽くしていると、人の気配を隣りに感じたのでちらりと横を見ると、そこには浅野先輩が立っていた。


わたしは思わずのけぞり、そして何を思ったのか、一目散に走ってその場から逃げた。


どうして、わたし、逃げるわけ?


しかもこんなところまで。


屋上のフェンスを掴みながら、肩で息をする。


逃げる必要なんてないじゃない。


わたしはなんにも関係ないんだから。


フェンスにもたれて深呼吸をしていると。

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