それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜


「なんで、逃げるの」


なぜかそこに、肩で息をする浅野先輩がいた。


「なんで浅野先輩までここに?」


「ひなちゃんが逃げたから。思わず追ってしまっただけだよ」


どきっ。


そんな胸キュンな台詞をさらりと。


浅野先輩は息を整えると、学ランのポケットに手を突っ込んで、どさっとフェンスにもたれた。


「……ひょっとして、ショックだった?」


「え?」

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