それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
わたし。
気づいちゃった。
わたし。
好きなんだ。
好きで好きで、たまらないんだ。
根岸先輩が、大好きなんだ。
きっと。
最初から。
美術室でスケッチしているところを見た時から、ずっと。
目から涙が溢れているのに、気づかなかった。
頬に冷たいものを感じて、はっとした。
「どうした?」
根岸先輩は、少し焦った様子でわたしの顔を覗き込む。
わたしは慌てて涙を拭い、首を振った。