それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
だって。
根岸先輩の第一印象、最悪だったもん。
強引だし。
口が悪いし。
わたしの理想の男子は、優しくて、穏やかで、笑顔の似合う人だから。
だから、王子様の生川先輩に「付き合おう」って言われたときは、びっくりしたけど嬉しかった。
なのに。
「はあぁぁぁ」
わたしはただ、彼氏がいる高校生活に憧れていただけだったんだ。
わたし、最低だ。
こんな調子で、あの日以来、美術室から足が遠のいていた。
根岸先輩と生川先輩がいるところに、顔を出す勇気なんて、なくて。
気まずくて。