それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
『じゃあ、俺に抱かれろよ』
あんな台詞、言うなんて。
やっぱり、わたしみたいな子供じゃないんだ。
住んでる世界が違うんだ。
簡単に、そんなことができちゃうんだ。
わたしなんて……
わたしなんて、キスすらしたことなかったのに。
大事な大事なファーストキスだったのに。
こんな形になっちゃうなんて。
涙がとめどなく溢れてくる。
自分の浅はかな行動のせいで、生川先輩を傷つけたばかりか、こんなことになってしまうなんて。
最低。
わたし、最低。
膝に顔を埋めたまま、届かなかった思いに打ちひしがれた。