それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
「うん……ありがと」
そう言ったものの、自分の大失敗をなかなか口に出すことができなかった。
恥ずかしくて。
みっともなくて。
悲しくて。
痛くて。
つらくて。
苦しくて。
またため息が出そうになった時。
教室の扉が荒々しく開いた。
クラスメイトの視線が、入口に集中する。
そこに立っていたのは、浅野先輩だった。
辺りを見渡し、わたしを見つけると、遠慮なく教室に入ってきた。
みんなの視線が自分に集中しているのがわかる。