それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜


「告白したの!?」


「声が大きいです!」


「ああ、ごめん」


「……うん。だけど、お前は生川の女だろって。

 だから人は信用できないって、怒っちゃって……」


「なるほど。あいつはひなちゃんが生川を振ったことも知らないしな……」


そう言うと、浅野先輩は、腕を組んでしばらく考え込んだ。


そして。


「だけど、それが原因で退学届ってことにはならないよ」


浅野先輩はまっすぐわたしを見つめた。


「ほんとですか?」


「ああ。それより気になるのは、「人は信用できない」っていう台詞の方だ」


「え?」


「あのケガといい、なんか、トラブったのかもしれないな」

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