それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜


「先輩の家庭環境とか、経済的なこととか、あの女の人が言ったことが本当なら……

 先輩が抱えてる問題って、すごく深刻だよね……。

 先輩、大丈夫かなぁ……」


テーブルに頬杖をついて大きなため息をもらすと。


「ひなさぁ」


「ん?」


「あたしから見れば、ひなも相当深刻よ?」


「え?」


「人の心配する前に自分の心配しな?」


あやめちゃんは、ふぅと大きく息を吐く。


「だって、あんたここ数日、お昼だってほとんど食べてないじゃない」


「あ……」


あやめちゃん、気づいてたんだ。


……食べ物がのどを通ってくれないんだよね。

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