それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
「はぁ……」
嫌でも漏れてしまうため息。
今朝から何度目だろう。
「おっはよ」
ふいに声をかけられ、びくんとする。
「あやめちゃん!!」
もう、顔を見るだけで泣きそうになってしまった。
危険を冒してまでわたしのために動いてくれたんだから。
「もう、なんて言っていいんだか……」
感極まり、思わずあやめちゃんを抱きしめてしまった。
「ちょ……ひな、なんだか熱烈」
「あたりまえだよ。あやめちゃんには何度お礼を言っても足りないよ。
一人でホストクラブにまで乗り込んでくれたんだもん」
「え?あ、えっとね……」
「ほんとにありがとね」
「う、うん……で、どうなった?」
「うん……」
思わず苦笑い。