それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
その後、塾がある浅野先輩は早々に切り上げ、美術室には生川先輩とわたしだけになってしまっていた。
あんなことがあっても普段どおりに接してもらっているとはいえ、二人きりという状況はあまり居心地のいいものではない。
早く片付けてこの部屋を出なくちゃ。
無言で片付けに専念していると。
「最近、浮かない顔、多いね」
「えっ。そ、そうですか?」
生川先輩の突然の呟きに、びくっとしてしまう。
「……根岸、学校にはちゃんと来てるよ」
その言葉に、はっと顔を上げてしまった。