それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
「抹茶のシフォン。プレーンと紅茶は作ったことあったんだけどね」
「うわぁ!いいんですか?」
「もちろん。試作品で悪いんだけど」
「ううん!いただきます!」
口に入れると、それは期待どおりの味と感触で、自然と顔がほころんでしまっていた。
「おいしいっ!」
「ほんと?やった」
おやじさんは満面の笑みでわたしに握手を求めてきたので、そっと手を差し出し、握手を交わした。
それにしても本当においしい。
いくらでも食べてしまいそう。
「これ、お店に出せると思う?」
「出せます出せます!すごくおいしいです」