それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜


根岸先輩、抹茶苦手なんだ。


なんだか子どもみたいで、くすりと笑ってしまった。


「なんだよ」


「いえ、別に」


「……」


根岸先輩はそれ以上つっかかってこなかった。


いつもなら、「なんだよ、言いたいことがあるんだったら言えよ」とか言って、つっかかってくるのに。


また沈黙が訪れる。


こうして黙られてしまうと、それはそれでなんだか気まずい。


「あの……さっきの人が根岸先輩の言っていたおやじさん、ですよね?」


「ああ。なかなか軽い感じだろ?あれであの人45歳だからな」


根岸先輩は、にやりと笑った。

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