それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
「私も同じ。受験だからね。まあ、やらざるを得ないっていうか」
みさと先輩はふんわりと笑みを浮かべた。
「やっぱり大変ですか?大学受験って」
「うーん、そうだね。なんか、気だけ焦る」
「ああ、わたしも高校受験の時、そんな感じでした」
「嫌だよね、ほんと、受験って」
「そうですね」
……。
会話が、ぷつんと途切れてしまった。
みさと先輩は飲み物を口にした。
ストローを口から離すと、ふう、と小さく息を吐いていた。
みさと先輩、なにを考えているんだろう。