それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
なにを話しかけていいのか、わからない。
わたしからは、他愛のないことしか切り出せない。
だけど、みさと先輩があの絵のことを知っているのだとすれば、それはあまりにも白々しい行動に思える。
とりあえず、さっき買ったハンバーガーを食べることにした。
食べていれば無言でも、不自然じゃないよね。
しばらく沈黙が続いた。
そして、それを破ったのは、みさと先輩だった。
「……私、なんだよね」
みさと先輩は、窓の外に目をやったまま突然ぽつり呟いた。
「え?」
「……噂、流したの」
しばらく時間が止まったような感覚だった。
言葉の意味が一瞬理解できなかった。