それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
エピローグ
「ひなー!」
週末。
駅前であやめちゃんを待っていたら、遠くから手を振りながら走ってきた。
相変わらず元気で思わずくすりと笑ってしまう。
だけど、服の雰囲気がいつもと違うことに気づいた。
なんだか今日は気合が入っているというか、露出度が高いというか。
「ひな!最っ高!!」
わたしに駆け寄るや否や、わたしの両腕をがしりと掴み、体をぐわんぐわんと揺らした。
「え?え?え?」
「FreeだよFree!コンサート行ってきた!」
「ああ!やっぱり本物はいい?」
「最高!もう最高!ってか、最高!しか出てこない」
あやめちゃんは思い出して興奮が蘇ってきたのか、わたしの腕をばしばしと叩きながら「最高!」連呼していた。