それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
「え?もしかして……?」
「うん。彼氏の宮本寛人くん」
さっきまでの元気なあやめちゃんとはまるで別人のように、少し照れくさそうにしながら彼氏を紹介してくれた。
「えーーっ!いつの間に!!」
「バイト先でね、知り合ったんだ。で、あのことがきっかけで……ね」
そう言って、あやめちゃんはヒロくんを見上げた。
「うん」
「え?あのことって、なに?」
すると、あやめちゃんはふぅと息を吐き出し。
「あたし、根岸先輩のテナントビルに行ったじゃない?」
「あ、うん」