それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
◇◆


「で、三人で見てきたのか?」


夕暮れの海辺。


コンクリートの階段に根岸先輩と寄り添って座りながら、海を眺めていた。


「……うん」


「やめてくれよ、恥ずかしい」


根岸先輩は照れくささを隠すように髪をかき上げた。


「わたしも恥ずかしかったけど……でも」


「でも?」


「……ちょっと、自慢だった」


恥ずかしくて、小さく呟いた。


顔が赤くなっているのが自分でもわかる。


すると。

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