それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
あ。
いいな、この感じ。
ずっとこんな時間を過ごしていけたらいいな。
「……まさかこんな日が来るとはな」
根岸先輩はわたしの髪を撫でながら、ぽつり呟いた。
本当に。
こんな日が訪れるなんて、思ってもみなかった。
先輩はいつも不機嫌で。
口は悪いし、つっかかってくるし。
出会ったころの頃を思い出すと、なんだか笑ってしまう。
「なあ」
「ん?」
「俺の秘密を教えてやろうか?」
そう言って、先輩はいたずらっぽく笑った。