それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
美術室に着くと、椅子にストンと座らされた。
根岸先輩は引き出しから紙を一枚取り出し、わたしの目の前の机にバンっと置く。
紙に目を落とすと、それは入部届だった。
「これに、学年と名前、書いとけ」
「え?」
「だから、学年と名前。何度も言わせるな、バカ」
ババババババカぁ!?
なんでバカ呼ばわりされなきゃならないわけ?
そう思いつつ、口には出す勇気はないので、じろりと根岸先輩を見上げる。