それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
「だって、先輩が素直に「うん、うん」ってうなずくから……なんか調子狂っちゃう」
唇をとがらすと、先輩は楽しそうに笑った。
「で?」
「え?」
「俺はどんな奴なわけ?」
先輩はにんまりしながら、わたしをまっすぐ見つめた。
「えっ、と……口が悪くて」
「うん」
「喧嘩が、強くて」
「うん」
「絵が上手で……」
「うん」
先輩のまっすぐな視線を受け止められなくて、目が泳いでしまう。
そんなに見つめられると、なんだか恥ずかしいよ。