それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
花火大会、ねぇ。
……確かに喜びそう、ではあるな。
ガキだから。
「純ちゃん、いいこと教えてやろうか」
レイは声を潜め、にやにやといやらしい笑みを向けている。
「女が浴衣で来なければ、脈アリだ」
「は?」
「エッチOKの可能性大ってことだよ」
「なんだそれ」
「わかんない?浴衣だと一度脱いじゃうと自分ではなかなかキレイには着られないだろ、ほとんどの子は。だから抱かれてもいいって思ってる子は、浴衣は避けるんだよ」
……なるほどねぇ。
確かに一理あるかも。
……でもまあ。
俺らにはまだ関係ない話だな。
だって、あいつ。
キスすらぎこちねぇし。