それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜


「なんだ?トイレか?」


「違います」


「お前時々声がやたら低くなるよな」


「そういう声が出るようなこと、言うからじゃないですか」


そう言うと、ひなは少し頬を膨らませた。


「じゃあ、なんなんだ?」


気を取り直して尋ねると、ひなはまたもじもじとし出した。






……なんつうか。


ほんと、ガキみたいにころころころころ表情が変わるよな。






おもしれぇ。






「……おそろいがいいな」


「え?」


「おそろいのキーホルダーがいい」


うつむいていても、ひなの顔が真っ赤なのがわかった。


耳、すげー赤いし。









……やべ。


すげぇかわいい。







「オッケー」







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