それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
「やあ。来てくれたんだ!」
爽やかな笑顔を浮かべた部長さんがやってきた。
えっと。
自ら来た、というより……
「連行された、というか」
ぼそっと呟くと、
「連行?」
部長さんは眉をぴくりと動かし、根岸先輩をぎろりと睨んだ。
「お前。何したんだ。
オレは入部届書いといてもらえって言っただけだぞ?」
「だからこうして書かそうとしてんじゃねぇか」
「だけど、この子……えっと、名前、なんて言うの?」
部長さんは、根岸先輩と話す声とは違う穏やかな声でわたしに顔を向ける。