それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
「ふぁ~あ」
しまった、あくび出た。
あ、手で口おさえちゃった。
「だから、手ぇ、動かすなっつうの。
口なんか隠さなくたって誰も見ねぇから」
なんかムカつく、その言い方。
そりゃ誰も見ないかもしれないけど、エチケットってもんでしょうよ。
なんなの、この先輩。
先輩じゃなかったら、さっさとモデルなんかやめてやるのにっ!
もうっ!
ムカムカイライラしているわたしのことなど放ったらかしにして、先輩は真剣に鉛筆を滑らせる。