それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
わたしの手は、どんな風に描かれたんだろう。
手だけとはいえ、モデルになったからにはどんな風に描かれたのか、ちょっとどきどきする。
先輩は、満足そうににやりとして、スケッチブックをわたしに渡した。
そこに描かれていたのは、思わず手に取ってしまいそうになるほどリアルに描かれた果物たち。
鉛筆だけで描かれた緻密な絵。
すごい。
この人、すごい!
しばし感動に浸った後。
「あれ?」